作品を知った経緯

2023年9月末の深夜のこと。U-NEXTかNetflixか忘れたが、ホームトップの「新着」マークが付いた番組をタップしたところ、ツインテールのエルフが。。。2Dオタクが泣いて喜びそうなキャラデザイン、「ああ、、、魔法使い、、、なろう系かぁ(-。-)y-゜゜゜」別の番組に替えようとリモコンを掴んだが、やっぱ探すのが面倒くさくなって見たのがキッカケ。

(番組替えようとしたのは、また「なろう系」かぁ、、、ってところで、同ジャンルのクソ作品群が頭をよぎったから。)

※「なろう系」とは、異世界転生、異世界転移を題材としたライトノベル作品群で、「小説家になろう」という2004年から始まった投稿サイトがブームの牽引役。この投稿サイトに登録されている作品数は2024年の時点で111万作品あり、その内、異世界系の作品数は不明だが数千作品はあるとかないとか。。。2010年代前半から積極的なアニメ化がなされ、以降、似たり寄ったりの作品を量産している (-。-)y-゜゜゜「じゃ、みなきゃええやん」という話しだが、たまに良作は現れるし、漫画やアニメに限らず「どの作品の派生か?、どこからのアイデアか?」といった「系譜」を知るのが趣味というか癖だからしょうがない。

完璧な導入部

そんなこんなで「期待値ゼロ」で見始めたが、開始15分ですっかりそんなことは忘れ一気に数話見てしまった。特に第1話~2話真ん中迄の導入部は完璧な脚本で、自然に物語に入ることができた。

その後、第1期28話をコンプリート。一通りみて思ったのは、脚本に一切無駄がなく物語のテンポが良い、主役フリーレンの担当声優の高い技術力とこれ以上ないハマリ具合、そして、安定した作画と芝居である。とにかく安心してみられる。たまにこんな傑作が落ちとるからアニメもやめられん。

葬送のフリーレンとは

葬送のフリーレンは週刊少年サンデーで掲載中(2020年~)のファンタジー漫画で、原作は山田鐘人、作画はアベツカサ。2026年1月の時点で既刊15巻。2023年にアニメ化され第1期として28話公開されており、第2期が2026年1月16日から開始される。※因みに原作は漫画なので「異世界系」ではあるが、「なろう系」の出身ではない。

物語は、元勇者パーティーに所属した魔法使い「フリーレン」の旅の行方で、その目的は「勇者との再会」。主人公のフリーレンは1000年生きた大魔法使いのエルフで、感情の起伏が少ない「冷めた」人物だが、勇者の死をキッカケに始めた旅を通して「感情」というピースを埋めていくというのがメインテーマ。冷めたキャラ設定については、1000年も生きていることから人生に理想や希望といったものがなく、ただ生きる為に生きているといった心情が反映されていると思われる。

もう少し解説

2話中盤以降からは、勇者との思い出を振り返りつつ、仲間との冒険、弟子やチームの成長といった少年漫画に相応しい内容となるが、物語もキャラクターも淡々として落ち着き払っており、大人がみても青臭さで顔が赤面するようなことはない。

因みに、メインキャラは主人公のフリーレンを含めて3名だが、残り2名のテンションも低く、尚且つ、旅の動機付けはされているが行動原理はない(というか弱い)という設定。例えば、目的ありきで、ひとりが直情型熱血系、ひとりが天然型なんとかなる系、ひとりが懐疑型論理的思考系などで纏めると、キャラも立ちやすく芝居も作りやすいだろう。実際そういった作品が多いが、葬送のフリーレンの場合、キャラの個性はあるが漏れなく「熱量」がないので勢いに任せた展開が作れない。そうなると物語そのものがしっかりしていないと成立させ続けるのは難しい。少年誌には大なり小なりご都合主義が介在するが、ファンタジー作品に付いて回る設定的な矛盾も少なく、そういった安定感が淡々としたキャラ達で話を進めていける理由なのかもしれない。

キャラに熱量がないと書いたが、バトルシーンのテンションが低いわけではない(魔法の名前は叫ばないが)。近年のアニメのバトルシーンは手が掛かっており(それで予算の大小がみえてくる)、ド派手なものも増えてきたが、フリーレンでも過不足ない作画とセンスの良い演出で十分に楽しめる。

最後に

近年のアニメーションの完成度が上がってきているのは、作画の美しさがその理由だと感じている方が多いかと思う。勿論それはあるが、私は、演出力が上がったことの方が大きな理由だと思う。また、原作付き作品の場合、製作者達の原作に対する考え方、取り組み方の変化もあると思う。(原作をリスペクトする様になってきている。)いずれにせよ、それによって生み出されるのは「原作越え」という可能性である。実際、原作(小説も含む)より面白いアニメはほぼないと言ってよいが「葬送のフリーレン」は原作未読でOKだと思う。

2026年1月から第2シーズンが始まる。これからも1シーズンと同様に楽しめるのか?それとも失速するのか?原作で最新を追っかけていないので、展開は分からないが楽しみです。

暇つぶしにでもどうぞ(^^)/

amazonプライム、U-NEXT、hulu、Netflix、Disney+など、主要動画配信サービスで公開中。(2025年12月現在)

余談

落ち着いた主人公キャラの代表格といえば「ゴルゴ13」のデューク東郷がそうだろう。青年誌やけど、、

因みに、ゴルゴ13が生まれた1960年代後半における漫画主人公の定番要素は「勧善懲悪」と「熱量」だったので、「汗は搔かん」「涙はながさん」、しかも「殺し屋」といったデューク東郷のキャラクター設計は希少だったのではないか。それでもこの作品を世に出せたのは、当時の編集長の「先見性」といったことではなく、直ぐに連載開始できる作品が他になく、間を繋ぐ為だったと言われており、さいとうたかおご本人も長期連載は頭になかったとか。

ゴルゴ13も過去に3作アニメ化されており、1971年と1987年の2作品は映画版。2007年に作られたテレビ版(全48話)が存在する。テレビ版は原作の雰囲気を踏襲した作品で、ゴルゴ好きなら納得できる作品です。(ゴルゴ役は舘ひろし)